2024年から新紙幣の肖像となる「北里柴三郎」さん。
北里さんは “ 日本細菌学の父 ” とも呼ばれ、破傷風(はしょうふう)に対する[血清療法]を確立しました。
破傷風(はしょうふう)の感染症は、多くの方が知ってますが 災害時でも注意したい病気の一つという話です。
破傷風の症状
まずは 気になる【破傷風の症状】です。
【破傷風】の潜伏(せんぷく)期間は、基本3日~3週間。
(※潜伏期間:病原体に感染~体に症状が出るまでの期間)
平均にして 4~7日頃より・・・
【破傷風の症状】
・口が開けにくいので、食べ物が食べにくい。
・歯ぎしり。
・首筋が張る。
・寝汗をかく。
・体が痛い。
といった【破傷風の症状】があらわれはじめます。
しだいに、しびれや痛みが体全体にひろがります。
そして 腹部を突き出すように 全身を反らせるけいれんや 悪化すると呼吸困難があらわれます。
恐ろしいことに 3~5割(新生児は8割)が死にいたります。
破傷風病原体はあらゆる所に分布
実は 破傷風の原因である「破傷風菌」は 世界中の土壌をはじめ、サビや唾液など、ありとあらゆる場所に分布しています。
また 熱、乾燥、消毒液にも「破傷風菌」は強いのです。。。
我々が生活するうえで「破傷風菌」との接触を完全にさけることは 絶対不可能だとされています。
破傷風の「感染経路」
破傷風の「感染経路」は特別なものでなく 私たちが普通に生活するなかでも感染が起こります。
「破傷風菌」は、傷口に付着した土や汚物などから体内に侵入することで感染をおこします。
破傷風(はしょうふう)に罹患しやすいとされる傷は、刃物などで傷ついた傷や、転んで擦りむけた傷はもちろん。
やけどや 壊死組織のあるキズなどもです。
しかし、清潔かつ浅い傷や、歯科感染、虫刺されなども 破傷風の原因とされています。。。
破傷風を起こしやすい明確な傷の定義は 現在科学では判明していません。
また、さびた刃物や釘で怪我(ケガ)をした場合も感染します。
傷口に砂利や木片、サビなどの異物が残っていると 感染しやすくなります。
うっかり転びケガをして、足に傷ができたり 野外での虫刺されキズでも 時に破傷風の原因になるとは、、、(><)
軽度の傷なら 気軽に放置することもありますが、気をつけねばならないですね。
そして、次の項目 “ 破傷風に感染しやすい環境 ” も参考にしてください。
破傷風に「感染しやすい環境」
先ほども書きましたように「破傷風菌」は全世界に広く分布するため、いつどこで 誰が感染しても おかしくはないです。
その中でも 十分な予防接種を受けておらず、医療設備が整っていない『発展途上国』が最も破傷風感染率が高いです。
日本では 若年層なら予防接種を受けているため、感染率は低い。
しかし 一度も予防接種を受けていない あるいはワクチンの免疫が無くなった高齢者層で 破傷風の感染報告が多くなっています。
また、破傷風に感染しやすい職業は[土に触れる仕事(農家など)]や比較的[傷を負いやすい職業(自衛隊や工事現場)]です。
他にも 犬や猫などの動物に噛まれたばあいも、それらの口腔内に存在する「破傷風菌」に伝染る可能性があります。
とはいえ 普通の日常生活を送るうえでは あまり神経質にならなくてもよいですが 自然災害が起き ガレキやゴミの撤去作業をするときは注意が必要です。
災害時には「破傷風」に注意が必要
普段ガーデニングや農作業など「土いじり」はしないから~♪と安心してはいけません。
例えば 地震や台風など自然災害が発生したとき、自宅や庭の瓦礫(がれき)、泥を撤去する作業には「破傷風感染」に注意が必要です。
傷口がある場合は 作業前 包帯でおおうなどの処置を取りましょう。
万が一 傷口が土に汚染されたときや、錆びた物で体を傷つけてしまった場合、ただちに救護所の医師に相談しましょう。
破傷風の予防方法
破傷風の予防は、あらかじめ[ワクチン]を受けることが最も適切です。
日本では 四種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ混合ワクチン)の予防接種が実施されています。
第1期は生後3か月以降、3〜8週間間隔で3回受けます。
そして約1年後に 1回の予防接種で 計4回。
第2期は11歳以降、二種混合(ジフテリアと破傷風)を1回接種。
(※ 小学6年生でのワクチン投与を 多くの自治体で推奨している。)
前回の接種後 10年が過ぎた場合は、追加接種をすることを推奨します。
11〜12歳時に接種後は 20代前後に追加接種が理想です。
※ 四種混合ワクチンは 2012年11月に導入されました。
原則として 2012年の8月以降に生まれた赤ちゃんが接種します。
このように 現在は破傷風の予防法に[ワクチン]があります p(^-^)q
ところが その昔 まだ予防と治療方法が不明であったとき、破傷風菌(はしょうふうきん)を調べ 破傷風菌の純粋培養に成功したのが『北里柴三郎(きたざとしばさぶろう)』さんでした。
日本では 2024年(令和6年)から新紙幣が発行しますが、新千円札の肖像人物が『北里柴三郎(きたざとしばさぶろう)』さんです (*゚▽゚ノノ゙
北里柴三郎さんは「破傷風の血清療法」を開発
【破傷風(はしょうふう)】防止と治療法を見つけるためには「破傷風菌」のみを取り出して 詳細に調査する必要がありました。
そこで、1889年(明治22年)北里先生は 世界初となる「破傷風菌の純粋培養」に成功★
翌1890年(明治23年)には「破傷風菌の毒素」を中和する抗体も見つけました。
さらに 「破傷風菌の毒素」を無毒・弱毒化して すこしずつ体内へ注射すると その抗体が作られ病気の予防・治療になる方法=「血清療法」を開発したのです。
(当時 伝染病に対し 有効な原因療法がなかったので この「血清療法」は画期的でした)
恐ろしい病気【破傷風】の予防や治療法を発見した北里柴三郎先生。
ほかにも、日本で最初の結核治療専門病院である「土筆ヶ岡養生園」を設立し、結核予防と治療に尽力しました。
【破傷風】は現在でも死亡率が30〜50%と高いです。
仮に 生命は助かっても 手足が動かせなくなるなどの後遺症が残ってしまうこともあるそうです。
破傷風(はしょうふう)は 侮れない感染症です。
あらかじめ[ワクチン]を受けることが最も適切な予防方法となります。
以上「【破傷風の症状】とは?~地震や台風等災害時にも注意すべき感染症です~」のお話を紹介しました。
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